ムスイ流囲碁講座の第2回目です。

『プロ棋士の対局や棋譜を見てもよくわからない・・・・・』そういった方も多いと思います。実際、プロの対局何て見てても難しいですからね~。

ということで、ここで紹介するのは『東洋囲碁2~3段』あたりをウロチョロしている当サイト運営者の私(ムスイ)の対局を紹介しています。プロ棋士と比べればだいぶ精度は落ちると思いますが、初心者から級位者までの方々が『囲碁の発想』を学ぶ上ではプロ棋士の対局よりもわかりやすいと思います。

ぜひ、参考にしてくださいませ。

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目次

対局結果は『黒102.5目差勝ち』

私が黒です。久しぶりに100目差をつけました。やったぜ!

この対局は東洋囲碁ではなく『野狐囲碁』で打ったものです。黒の私が『野狐囲碁4段』で、相手も『野狐囲碁4段』となります。4段同士の対局ですね。

では、一体どういった流れでこうなったのか?

一つ一つ、解説してみようと思います。

黒を持ったらこう打ちますパート2

私は黒を持った場合『中国流』かこの打ち方をします。この形に名称があるのかどうかは知りません。

この打ち方は、図の通り、右側の方向に強い守り方なんですよ。ですから、イメージ的には上辺一体で有利な戦い方をしたいという発想でこの打ち方をしています。

白は中央の模様重視派だった

右辺、黒の一つ上に白は打ってきました。こういういった打ち方を『ボウシ』と言います。黒が2間横に開いたら、さらにボウシを打ってきました。白は黒の頭を押さえつけて、中央の模様を重視した打ち方をしてきているんですね。

こういった打ち方をしている人は多くないと思いますが、私も時々やります。

プロレベルはしないと思いますけどね。

とりあえず、黒は下辺に『割り打ち』です。右にも、左にも2間開けるような場所に打つことを『割り打ち』と言います。

割り打ちは、私はよく使うのですが、プロで使っているのはあまり見たことがありません。しかし、とても使いやすいので、個人的にはお勧めです。

囲う事こそ正義である

白が右上に打ち込んできました。正直なところ、白のこういった打ち方は理解できません。『上辺が大きく空いているのに、何でこんな狭いところに、白は打ち込んできたの?』と疑問に感じます。

対する黒の私は『ボウシ』です。これは『白を囲い込んでやる』という一手です。

初心者はよく『地を囲う』という発想で失敗しています。重要なのは『敵を囲う』なんですよ。基本的に敵を囲うことが正解であり、敵を囲う事こそ正義であると考えた方がいいです。

なんのこっちゃと思うかもしれません。つまり、『何も考えずに敵を囲みなさい』ということです。ほとんどの場合、それが正解であることが多いです。私の経験上。

敵を囲ってやるパート2

右上は、黒が白を囲うことに成功しました。囲う事のメリットは『先手を奪える』ってことでしょうか。囲われた方は生きる作業をしなければいけなくなるため、どうしても後手になりやすいんです。

先手を奪えた私は、上辺星下に布石の一手で守りを固めます。

黒の地がとても大きいため、白がまた侵入してきました。

ここで無理して殺しに行く必要もありません。私は再び『囲う一手』で相手を囲む作戦に出ます。

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さらに囲んで、またさらに囲んでやるぜ!!

結局、上辺を囲んで、右辺を囲んで、さらに右下も囲みました。まさに囲みのトリプルアタックです。これによって、黒は中央に対して鉄壁の壁を築き上げることに成功します。

白はたまらず、左上に飛び込みます。地を消そうとしているんですね。

私はさらに囲みに行きます。右側には黒の大きな壁があるわけです。『黒の壁に白を押し付ける』というイメージです。

もちろん、このタイミングで黒は地を囲むという発想もできると思うんですよ。

黒がこのようにケイマで守れば、それなりに大きな地を期待できます。しかし、私にしてみれば、こんなのは発想のスケールが小さい

左下の白もそれなりに大きいです。上の白が動き出せば、中央の局面がどう変化してくるかわかりません。場合によっては、『黒の壁で圧倒的に黒有利』の局面を、『白に見事模様を消されちゃったピョン』という状況になる可能性だって十分考えられるんですね。

何より、私はこういった『地を囲いに行く』などというスケールの小さい発想で囲碁を打ってほしくはない! 『相手を攻めて攻めて攻めまくる!』というハードな気持ちを捨ててはならないんですよ!

第5ラウンドだ! ヘイ! ヘイ!

左上の白・・・・・黒の囲い作戦に対し、何とか生きました。しかし、しょせん『生きただけ』です。怖くも何ともありません。

対して黒は、囲んだことでまた壁を作ることに成功。

そして、この一手。黒の囲い込み作戦、第5ラウンドの始まりです。

囲み切って勝ちました

白は一生懸命逃げますが、逃げ切れません。最終的に囲みは完成してしまいます。この形では、白に眼らしいものがありません。白、万事休すです。

人によっては、この一手を意識している人がいるかもしれません。

白がここに打てば黒4子を取って白が生きているような・・・・・と考える人がいるかもしれませんが・・・・・

この『黒6』が厳しいため、白はどうすることもできないんですよ。白もそのことがわかっていたようで、打ちませんでした。

そして、最初に紹介した通り、このような状況で黒の圧勝となりました。

あとがき

相手を囲んで囲んで囲みまくる。このような発想は、級位者の方々では理解しがたい打ち方に見えるかもしれません。

しかし、これはある意味『囲碁の基本的な発想』だと思うんですよね。

それこそ『地を囲おう』などという発想は初心者の発想です。とても囲碁の打ち方ではないんですね。(ま~布石のうまい方はうまく地を囲める人もいますが)

囲碁と言うのは『相手を囲う!囲う!囲う!』という発想で打つものなんですよ。『相手を殺す!殺す!殺す!』という発想なわけなんですね。この発想を理解しなければ、絶対と言っていいほどに上には行けません。私の昔からの持論です。

級位者の方々は、まずは『囲いまくる作戦』を習得してみましょう。囲碁の世界がガラン!と音を立てて変わるのがわかると思います。そして、今まで以上に囲碁というものが面白くなってくると思いますよ。

ではでは、皆さん、頑張って下さいませノ

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