羽生善治氏は『永世7冠』を獲得したことで、将棋の世界では初となる国民栄誉賞が検討されています。対して、囲碁の世界では『永世』ではなく『名誉』資格というものがあります。ですから井山裕太氏が将来達成するとするなら『名誉7冠』ということになりますね。
今回この記事では将棋の羽生善治氏が獲得した永世7冠とはどういったものなのかということと、囲碁の井山裕太氏が名誉7冠を獲得するにはどういった条件が必要になってくるのかに関して説明して行ってみようと思います。
目次
将棋の羽生善治氏が獲得した『永世7冠』の条件
称号 | 序列 | 賞金 | 獲得条件 |
---|---|---|---|
永世竜王 | 1位 | 4320万円 | 連続5期 or通算7期 |
永世名人 | 2位 | 2000万円 | 通算5期 |
永世王位 | 3位 | 1000万円 | 連続5期 or通算10期 |
名誉王座 | 4位 | 800万円 | 連続5期 or通算10期 |
永世棋王 | 5位 | 600万円 | 連続5期 |
永世王将 | 6位 | 300万円 | 通算10期 |
永世棋聖 | 7位 | 300万円 | 通算5期 |
永世資格を取得できる条件を見てみますと、『連続5期』と『通算10期』が多いですね。では、どちらの方が難易度が高いんでしょうね?
将棋は調べるのが面倒だったので囲碁の方で調べてみました。結論を言いますと、歴代で『連続5期防衛』が達成された回数は15回あります。そして『通算10期』が達成されたのはたったの2回しかありません。どうやら『通算10期』の方がはるかに難易度が高いという事のようです。正直、私は連続5期の方が難しいと思っていたのでビックリです。
では、羽生名人が最後に達成した『名誉竜王』の『通算7期』は囲碁の世界の基準で言うならどれくらい達成されているのでしょうか? 調べてみた結果、14回でした。つまり、意外や意外、『連続5期』と『通算7期』が同等位の難易度という事がわかります。
では、将棋の世界で最も永世資格を取得するのが難しいタイトルは何になるでしょうか? ズバリ『永世王将』ですね。取得条件が『通算10期』しかありませんから。そして、最も簡単なのが『通算5期』で良い『永世名人』と『永世棋聖』ということになりそうです。
※補足
将棋の7大タイトルのうち『王座』のみが永世ではなく、囲碁と同様の『名誉』を使っています。
囲碁の世界で『名誉』資格を獲得する条件
称号 | 序列 | 賞金 | 獲得条件 |
---|---|---|---|
名誉棋聖 | 1位 | 4500万円 | 連続5期 or通算10期 |
●●世 本因坊 |
2位 | 3700万円 | 連続5期 or通算10期 |
名誉名人 | 3位 | 3200万円 | 連続5期 or通算10期 |
名誉王座 | 4位 | 1400万円 | 連続5期 or通算10期 |
名誉天元 | 5位 | 1300万円 | 連続5期 or通算10期 |
名誉碁聖 | 6位 | 800万円 | 連続5期 or通算10期 |
名誉天元 | 7位 | 700万円 | 連続5期 or通算10期 |
囲碁の方では全て『連続5期』か『通算10期』に統一されているようです。ま~、こちらの方が公平で良いと思いますね~。むしろ、どうして将棋はあんなに条件がバラバラなのかと疑問に感じます。
将棋の方で説明した通り、『連続5期』よりも『通算10期』の方がはるかに難易度が高いことになります。ですから、井山裕太氏が『名誉7冠』を目指すなら連続5期を達成したいところ。ま~、私は井山氏なら全てのタイトルで通算10期くらいやってのけるくらいわけないと思っていますけどね。
井山裕太氏は『名誉7冠』を獲得できるか?
以上のように、囲碁の『名誉7冠』と将棋の『永世7冠』は獲得条件が異なりますので難易度も違うという事になって来ます。ハッキリ言って囲碁の名誉7冠の方が難しいですよ。
試しに、将棋の羽生名人の記録を『囲碁の名誉7冠の条件』と照らし合わせた場合どうなるかで説明してみたいと思います。
称号 | 囲碁の条件 | 羽生の記録 | 結果 |
---|---|---|---|
永世竜王 | 連続5期 or通算10期 |
連続2期 or通算7期 |
× |
永世名人 | 連続5期 or通算10期 |
連続3期 or通算9期 |
× |
永世王位 | 連続5期 or通算10期 |
連続9期 or通算18期 |
〇 |
名誉王座 | 連続5期 or通算10期 |
連続19期 or通算24期 |
〇 |
永世棋王 | 連続5期 or通算10期 |
連続12期 or通算13期 |
〇 |
永世王位 | 連続5期 or通算10期 |
連続9期 or通算18期 |
〇 |
永世王位 | 連続5期 or通算10期 |
連続10期 or通算16期 |
〇 |
囲碁の基準で言うなら、羽生氏は『名誉5冠』ですね。名人の方は後1回なので何とかなるかもしれませんが、竜王は後3回です。羽生氏なら行けそうな気もしますが、今まで苦戦してきていますので、何とも言い難いところですね~。
では次に、井山氏の名誉資格の獲得状況をご紹介したいと思います。(2017年12月時点)
称号 | 条件 | 井山の記録 | 結果 | 現在の状況 |
---|---|---|---|---|
名誉棋聖 | 連続5期 or通算10期 |
連続5期 or通算5期 |
〇 | 5期防衛中 |
●●世 本因坊 |
連続5期 or通算10期 |
連続6期 or通算6期 |
〇 | 6期防衛中 |
名誉名人 | 連続5期 or通算10期 |
連続3期 or通算6期 |
× | 1期 |
名誉王座 | 連続5期 or通算10期 |
連続3期 or通算5期 |
× | 3期防衛中 |
名誉天元 | 連続5期 or通算10期 |
連続3期 or通算6期 |
× | 3期防衛中 |
名誉碁聖 | 連続5期 or通算10期 |
連続6期 or通算6期 |
〇 | 6期防衛中 |
名誉十段 | 連続5期 or通算10期 |
連続2期 or通算4期 |
× | 2期防衛中 |
すでに井山裕太氏は名誉3冠の状況にあります。王座と天元にいたっては連続3期であるため、2年後に条件をクリアーする可能性も十分考えられます。28歳と若い井山氏であり、現在の圧倒的な強さを考えるなら、『通算10期』もそこまで難しい条件であるとは思えません。これからがとても楽しみです。
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囲碁のレーティングを見ると井山一強ですね
連続五期と通算五期は難易度からすると同等ではないかと思いますがなぜ通算は十期となっているのか理解できません 通算十期というのは連続五期に比べて難しすぎます せめて通算七期ぐらいにしないと不公平だと思います日本棋院には今一度難易度を想像してみて一考をお願いしたいと思います
そうですね。『通算10期』は過去2度しか達成されていない難易度ですからなかなか難しいところですよね。
しかし、今から難易度を下げてしまったら『井山に名誉七冠を達成させるために難易度を下げた』と言われてしまうので難しいところです。ここは井山四冠に頑張ってもらうしかないのかな~と思えます。