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2016年の3月9日~15日にGoogleのディープマインド社が開発した『アルファ碁』と、世界トップクラスの棋士と言われている韓国の『イ・セドル9段』の五番勝負が行われました。

誰もが『イ・セドル9段が勝利するだろう』と考えていた中、『アルファ碁の4勝1敗』という結果に終わってしまいました。

この記事では大まかな経緯の流れを紹介していこうと思います。




2015年10月 アルファ碁が中国出身の欧州チャンピオンに5戦全勝!

2013~15年に3年連続で欧州チャンピオンとなった中国出身の樊麾(Fan Hui)ファン・フイ二段。

15年10月にアルファ碁とファン・フイ二段による非公式の対局が行われ、アルファ碁が5戦全て勝利してしまうという、驚きの結果がでてしまいました。

ただし、非公式の対局であったため、この時点ではまだ世間には公表されていません。

【棋譜】アルファ碁とファン・フイ二段の五番勝負

樊麾(Fan Hui)ファン・フイ氏とは?

樊麾 (Fan Hui, ファン フイ)
・1981年12月27日生れ
・年齢:34歳
・中国出身でフランスに帰化。
・中国プロ二段。
・世界ランキングは600位代
・日本のプロ棋士の低段程度の棋力

2016年1月27日 Nature誌でコンピュータが囲碁のプロ棋士を倒したと発表!

米IT大手グーグルと英グーグル・ディープマインド社の研究チームは、開発した人工知能(AI)のコンピューターソフト『アルファ碁』が、欧州チャンピオンのプロ棋士『樊麾(Fan Hui)ファン・フイ二段』と対局し、5戦全勝したと27日付の英科学誌ネイチャー電子版にて発表しました。囲碁のコンピュータソフトが、正式な19路盤の囲碁で人間のプロ棋士に勝ったのは初めてで、開発したgoogle側は『偉業を成し遂げた』と喜んでいます。

今までの囲碁のコンピュータソフト

囲碁ソフトの考え方は、自分が次にどこに打つかを計算によって判断、シミュレーションし、勝つ確率が高いであろう一手を選ぶという手法をとっています。この手法は2000年代に開発され、少しずつ精度を上げていき、アマチュア上級、アマチュア低段、アマチュア中段、アマチュア高段・・・と棋力を高めてきました。

しかし囲碁はチェス、オセロ、将棋などと比べると盤面の格段に広いとうい特徴があります。例えば『チェスが10の123乗通り』ほどなのに対し、『囲碁は10の360乗通り以上』もあります。このため、コンピュータであろうとも計算が追いつかず、囲碁でコンピュータがプロ棋士に勝つにはまだまだ時間がかかるであろうと言われてきました。。

アルファ碁の開発チームはやみくもに計算することをやめ、コンピュータに膨大なデータを学習させて判断能力を高めるという人工知能(AI)の『ディープラーニング』と呼ばれる新技術などを組み合わせました。人工知能の『アルファ碁』に、プロが打った盤上の石の配置を画像として入力し『勝ちにつながる形』を覚えさせるという手法をとったわけです。さらに、アルファ碁同士での対局を続けさせることによって、最善の一手を打つための手法を時間をかけ自己学習させることにより、さらに棋力を上げることに成功しています。

英国囲碁協会・ジョン・ダイヤモンド会長のコメント

『アルファ碁』の強さは非常に印象深い。予備知識がなければ、棋譜を見てもどちらがコンピューターか分からないほどだった。私は以前、コンピューターが最も強い棋士に勝てるようになるのは5〜10年先だとみていたが、今では目の前にその時が迫っているように思える。』
(参照元:毎日新聞:ジョン・ダイヤモンド会長のコメント

2016年1月27日 アルファ碁と韓国の棋士イ・セドル9段とが対局することを発表

2016年3月に賞金100万ドルをかけて世界トップクラスの棋士と言われている韓国のイ・セドル九段にアルファ碁が挑戦することになりました。

イ・セドル九段は『(AIは)驚くほど強く、進化し続けていると聞いたが、勝つ自信はある。』とコメントしています。

韓国のイ・セドル9段とは?

生年月日:1983年3月2日、韓国の囲碁棋士。九段。
従来の定石・セオリーに囚われない独創的で戦闘性の強い棋風から「囲碁界の魔王」とも呼ばれ、国際棋戦優勝10数回など、2000年代から2010年代前半における世界最強の棋士と目されています。

(出典元:イセドルwiki:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E4%B8%96%E3%83%89%E3%83%AB

2016年時では世界ランキング3~5位あたりの強さです。

2016年2月11日 アルファ碁とイ・セドル9段の対局を「YouTube」で生中継配信へ

グーグルは、アルファ碁と世界トップクラスの棋士であるイ・セドル9段が3月に韓国で行う歴史的対局をストリーミングで生中継配信すると発表しました。これにより、世界中の囲碁ファンがインターネットを通して、アルファ碁とイセドル9段の対局を生中継で観戦することが可能になります。

2016年3月1日 ドワンゴが『打倒アルファ碁』のプロジェクトを発表!

動画共有サイト『ニコニコ動画』を運営するドワンゴは、世界トップレベルの囲碁ソフトを開発する『Deep Zen Go プロジェクト』を発足させると発表しました。

ドワンゴは将棋の方でもコンピュータとプロ棋士が対局する『電王戦』を開催しており、囲碁も近い将来はと計画していましたが、『アルファ碁』に先を越される形となってしまいました。

そんな時に、囲碁ソフト『Zen』プログラマーの尾島陽児さんからドワンゴの方に『打倒アルファ碁のためのサーバー環境の用意』を打診され、協力を進めていくことになります。

このプロジェクトには『日本棋院』『東京大学』も協力することになっています。オールジャパン体制でアルファ碁に挑む構えです。

計画としては、半年から1年後をめどに、googleが開発した『アルファ碁』に対抗できるソフトの開発を目指しています。

日本最強の囲碁ソフト『Zen』

このプロジェクトのベースとなるのは日本最強とされている囲碁ソフト『Zen』です。

『Zen』開発チームの加藤英樹代表は『アルファ碁をエネミー(敵)ではなくライバル、人間が強くなるために必要とされる存在にまでソフトのレベルをあげることも、研究者の役割』という考え方を説明しています。

東京大学大学院工学系研究科の松尾豊准教授(人工知能)

『大学院生らの有志を募って参加する。このプロジェクトで人工知能技術を高めることは、日本の産業競争力を高めることにもつながるはず。』

日本棋院:和田紀夫理事長

『(どのような協力体制で進めていくのか)まだ決まっていることはないが、全面的に協力する。』

2016年3月1日 対局の詳細情報

対局は五番勝負
2016年3月の9、10、12、13、15日の5日間
結果にかかわらず5日間5局行われる
対局は各午後1時から
賞金は100万ドル(約1億1200万円)
動画配信サイトyoutubeにて生中継される




2016年3月9日 対局直前のイ・セドル9段のコメント

『アルファ碁は進化を続けているようだ。緊張する。』
『5戦全勝ではないかもしれない。』
『アルファ碁は人間の直感力に100%到達したわけではないようだ。その点、人間が有利では』

と、自信をうかがわせるコメントを発表している。

アルファ碁とイ・セドル9段の対局前の2ちゃんの反応

対局前の2ちゃんの反応

2016年3月9日 アルファ碁、イ・セドル9段を破る!

『アルファ碁』と、韓国のプロ棋士で世界トップレベルの実力を持つイ・セドル九段との五番勝負の第1局が9日、ソウル市内のホテルで行われ、アルファ碁が勝利しました。

第1戦目の棋譜と記事

第1局目にしてとんでもないことが起こってしまいました。2015年10月に『欧州のチャンピオンであるプロ棋士に対等の条件で勝った』という衝撃から約半年。グーグルが開発した囲碁ソフト『アルファ碁』は世界トップの一人に数えられるイ・セドル九段を中押しで破ってしまったのです。

昨年10月の段階で、『アルファ碁』が英国で負かした相手の実力はプロ棋士とはいえ、プロの低段レベルでした。そのままなら、イ・セドル九段が勝つだろうと日中韓のプロ棋士たちは考えていました。

しかし、『アルファ碁』は短期間で人間の歴史の数百年、数千年分の研究を積み重ねることができると言われています。そのため『もしかしたら・・・』とは確かに噂されていました。

イ・セドル9段がアルファ碁に負けた時の2ちゃんの反応

イ・セドル9段が負けた時の2ちゃんの反応

2016年3月10日 アルファ碁、2連勝!

第2戦目の棋譜と記事

日本のプロ棋士たちの反応

プロ棋士たちの反応

2016年3月12日 アルファ碁、3連勝!

アルファ碁が五番勝負で3勝したことにより、勝利確定となりました。

3戦目の棋譜と記事

2016年3月13日 イ・セドル9段、アルファ碁に勝利!

韓国人プロ棋士イ・セドル九段が囲碁ソフト『アルファ碁』に勝利した13日の対局を、聯合ニュースは「人間の無限の可能性確認」と伝えた。囲碁人気が高い韓国で李九段の連敗は衝撃的に受け止められてきただけに安堵感が広がった。

一方、欧米メディアも勝利を速報。AP通信は「アルファ碁は完全ではない」と論評した。

韓国各紙は13日の勝利は「『闘魂』が人工知能(AI)破る」(ハンギョレ電子版)、「驚異の初勝利」(聯合ニュース)などと喜びをもって報じた。

これまではアルファ碁を「人間が立ち向かう『囲碁の神』」(東亜日報)などと「恐怖」もにじませ報道、李九段にとっては過去の対戦データを蓄積されるなど不利な戦いだとの指摘も伝えていた。(共同)

4戦目の棋譜と記事

2016年3月14日 アルファ碁が世界ランキング4位に!

イ・セドル9段に『3勝1敗』としているアルファ碁が、世界ランキング4位に登場してきました!

アルファ碁、世界ランキング4位

2016年3月15日 最終戦、アルファ碁の4勝目で終了!

『実力というより、集中力で人間はついて行けない。』ソウルで囲碁ソフト『アルファ碁』との最終戦を終えたイ・セドル九段は記者会見で『有終の美を飾りたかった。人間がまだかなうレベルと思えるだけに悔しい』と述べた。また、9日からの全5戦を『心から楽しんだ』と振り返った。

5戦目の棋譜と記事

2016年3月16日 アルファ碁が世界ランキング2位に!

イ・セドル9段に『4勝1敗』という好成績を残したアルファ碁は、世界ランキング2位まで上がりました!
アルファ碁、世界ランキング2位

2016年5月31日 イ・セドル9段がアルファ碁を利用して竹島問題に介入

韓国のイ・セドル9段は反日活動家で有名な『キム・ジャンフン』と協力し、日本と韓国の領土問題となっている竹島で囲碁イベントを開催することを発表しました。

イ・セドル9段による竹島での囲碁イベント詳細

あとがき

色々と衝撃的な3月9~15日までの一週間でした。普段、棋譜とかあまり見ないような私でも、何度も何度もみかえしてしまいましたよ。

あれからもう2か月以上たちました。アルファ碁の続編がきませんね~。さすがに世界ランキング1位になるのはまずいと考えているのでしょうかね~? いや、ここまで来たらもう最後までやりきっていただく方が、こちらとしてもスッキリするのですが・・・。

個人的には『アルファ碁VSアルファ碁』の棋譜も見てみたいものです。