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『耳赤の一手』とは何か?

黒: 安田秀策(本因坊秀策)
白: 井上因碩(幻庵)

1846年に行われた対局にて、秀作が127手目に放った一手が後世語り継がれることとなる『耳赤の一手』となります。

本因坊秀作囲碁記念館より
http://honinbo.shusaku.in/mimiaka.html

囲碁愛好家の間で今でも語り継がれている一局に「耳赤の一手」があります。棋力が著しく伸び、その名も全国に響き渡るようになった、秀策十八歳の時の逸話です。

秀策は二度目の帰郷から江戸に帰る途中大阪に立ち寄り、当時準名人位(八段)として名をはせた十一世因碩と対局します。勝負は中盤まで因碩が有利な形勢で進み、秀策が長考を重ね百二十七手目を打ったその時「秀策の勝ち」を予言する男が現れます。その男は医師で、理由を尋ねる門人達に「あの一手で因碩師の耳が赤くなった。動揺し自信を失った証拠」と述べたそうです。

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この話がとても有名であるため、碁会所や囲碁教室などでも良い一手があると『耳赤の一手』と褒められることもあります。このように言われると、言われた方も嬉しいものですよね。

しかし、言葉で言われるのであれば問題は起きないのですが、ネット社会において『文字』で言われてしまうと、さあ大変。漢字変換のミスが生じてしまうのです。

『みみあかのいって』を漢字変換してみて下さい。大抵の方は『耳垢の一手』となってしまうのではないでしょうか。『耳垢』? 汚い言葉になってしまい申し訳ありません。

ネット囲碁での指導中にて『今の一手は”耳赤の一手”みたいで良かったよ』と褒めることがあるかもしれません。

しかしこれが漢字変換ミスで『今の一手は”耳垢の一手”みたいで良かったよ』となってしまうこともしばしばあるに違いない。言われた方は苦笑するしかありません。

まさに、言った方が『耳赤』にならざるをえないという事態ですね。

思いがけずに恥をかいてしまう『耳赤の一手』の漢字変換ミス。これからも多くの耳赤たちを生み出してしまうことでしょう。南無三!(笑)。